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米国株
2021年1月3日 11時00分
特集

グロース優位で心地よい状況は続くと見るも、局面転換に備えバリューにも気を配る~

元為替ディーラー・YEN蔵さんに聞く!

「為替と株の新常態から考える2021年の日本株戦略(下)

~株探プレミアム・リポート~

登場する銘柄

メディカルネット<3645>、Eストアー<4304>、黒崎播磨<5352>、プレス工業<7246>

文/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

YEN蔵さんプロフィール:
YEN蔵さん本名は田代岳。外資系金融機関のシティバンク、スタンダード・チャータード銀行で20年以上、為替ディーラーとして活躍。現在は独立し、ADVANCE代表取締役として、投資や金融関連の情報発信を行う。

為替やFX(外国為替証拠金)取引から株式、債券など、幅広くマーケットを見渡したわかりやすい解説が人気。個人投資家として株式投資を行う横顔も持つ。

外資系金融機関で20年為替ディーラーとして活躍してきたYEN蔵さんは、株式投資家としても長く百戦錬磨で戦ってきた。

為替の動きを睨みながら株式投資を行う習慣をたたきこんできた為替のプロは、株式の土俵ではどう戦うのか。2回目は株式投資にスポットを当てた。

しばらくは上昇目線で個別銘柄選びに集中

―― 為替ディーラーとして活躍していた30代の頃から、個人としては株式投資も行っていたYEN蔵さんですが、当面の株式相場についてはどんな展望をお持ちですか?

YEN蔵さん(以下、YEN蔵): しばらくは相場全体がどう動くか、というよりは2020年の11月下旬からずっと続いてきた、日経平均株価2万6200円前後を底値とするボックス相場の価格帯を株価が下抜けることはないか、ということに注意を払っていくことが大事だと思います。

日本株のボラティリティ(変動率)を見るには、日経平均ボラティリティ・インデックス(日経平均VI)が参考になります。この指数は、10月終わりには30を超えるまでに跳ね上がりましたが、現在は20近辺にまで低下しています。この値が17~24であれば適温相場というのが私の見方なので、この点では落ち着いて投資に臨める環境です。

コロナ相場で荒れた2020年前半には、一日に日経平均が700円とか、1000円とか、そんな規模で変動する日も多くありました。20年末の12月29日に久々に700円を超える上昇がありましたが、大きくてもせいぜい200円から300円くらいで推移してきました。

このようにボラが低い状況は、株クラ(かぶくら)と呼ばれ、多くの株式投資家が集まっているSNS(交流サイト)でも、最近は「おはギャー!」と夜間の相場変動で損をしたというような挨拶はほぼ見られなくなっていることからも、うかがえますね。

―― 今後も適温状態は続くと見ていますか。

YEN蔵: 個人的には、11月下旬から続いている2万6200円前後から2万7000円の間で株価が推移してきたボックス相場が下支えになる環境が続くと考えています。

上昇へのエネルギーは保った状態で、先に触れた日経平均VIが適温水準に収まっているような状態であれば、投資に前向きな環境であろうと考えています。

期待を込めていえば、そうした状況が21年半ばまでは続くのではないかと見立てています。

ボラがあまりなく、一定水準を割り込んで下に行きづらい相場では、例えば「今日、日経平均が大きく下げたな」と思ったような日には、自身が有望だと思う個別銘柄を買い増しするというやり方が上手く行きやすいと見ています。

■日経平均株価の日足チャート(2020年7月~)

【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

グロースとバリューの合わせ技で

―― 前回記事で触れたように、ドル・円相場が100円を長期に割り込むことがなく、102~104円辺りのボックス圏で推移しているかも注視材料ですね。

YEN蔵: 為替と株の連動性は薄れていますが、まったく連動しなくなったわけではありません。一般的には、為替相場のボラが大きくならないことは、株式投資にはプラス要因になります。

―― 2020年は、世界的に強化された金融緩和策が効き、全体的に成長重視の「グロース」銘柄が大きく飛躍した年でした。21年はグロースの勢いが薄れ、割安水準の「バリュー」銘柄が優勢だという見方もあります。

YEN蔵: 個人的にはコロナ不安が払しょくされない限りはグロース優位が続くと思います。特にコロナ相場では、実体経済という現実ではなく、将来を見据えて「夢」を買う形で株価が上昇してきました。

世界のコロナ不安はまだ簡単には収まるとは思えないことを考えると、まだこの状態は続くのではないでしょうか。ただ、一方でワクチン普及の話も広がりつつあり、コロナ終息の雰囲気が一気に高まる可能性もあります。

そうした意味ではグロースだけにベットせず、グロースに期待しつつ、バリューも仕込んでおくという合わせ技が理想的ですね。

金融緩和縮小なら、特にグロース投資は警戒

―― グロース株への投資を警戒すべきタイミングは?

YEN蔵: 現在はコロナ終息後の経済回復への期待と、同時に世界的に推し進められている大規模な金融緩和という2つの車輪が株高を支えている、言ってみれば「オイシイとこ取り」の状態だと思います。

ところが、経済回復が現実味を帯びてきて、各国の中央銀行が「そろそろ金融緩和の規模を縮小しようか」という機運が出てきた時は警戒が必要ですね。株高を支える2つの車輪の1つがなくなってしまうわけですから。

この時は全体相場の騰勢(モメンタム)が落ちることに注意すると同時に、グロース株への投資からの引き時だと考えています。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ YEN蔵さんのグロースとバリュー両睨みの投資戦略は

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