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米国株
2020年12月4日 18時00分
特集

ラッシュそしてダッシュの12月、でも2年前の大ヤラレを教訓に一歩ずつ着実に

目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技 IPPOさんの場合-最終回

登場する銘柄

モバイルファクトリー<3912>、アンジェス<4563>、オンキヨーホームエンターテイメント<6628>(当時はオンキョー<6729>)、AppBank<6177>、ビートレンド<4020>(12月17日上場予定)、かっこ<4166>(同17日)、インバウンドテック<7031>(同18日)、グローバルインフォメーション<4171>(同24日)

編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)

【タイトル】IPPOさん(ハンドルネーム・30代・男性)のプロフィール:
関東圏在住の兼業投資家。証券会社から公募段階で配分を受けたモバイルファクトリー<3912>のイケイケの波に乗ったことをきっかけに2015年からIPO特化型で投資を本格化する。以降、プライマリー&セカンダリー投資ともに好調で、投資開始直後から資産拡大路線に入るが、18年の2度の相場大暴落に巻き込まれて大コケ。積み重ねた大半の利益を溶かすという苦い経験から、それまでのイケイケ路線を改良へ。身近な知り合いのIPO投資で成功している師匠の影響もあり、リスクを抑えて手堅い株価成長が見込める銘柄選びに転換し、現在に至る。その甲斐あって、今年襲ったコロナ禍では3カ月で資産3.5倍化に成功し、現在も邁進中だ。

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12月はIPO(新規株式公開)の数が多くなる月。IPO投資でリターンを積み重ねてきたIPPOさん(ハンドルネーム)にとっては、忙しくなる時期だ。

投資対象が増えれば、それだけリターンを得るチャンスも増す一方で、落とし穴にハマる確率も高まる。実はIPPOさんにとって12月は、2年前にとっても苦い思い出を味わった季節となる。

覚えている人も多いだろう。2018年12月には、米国発の株価急落が世界中を襲い、IPPOさんもこの衝撃をモロに受けることになった。その教訓が、今年前半の快進撃に結びついた。

最終回では、18年の今頃から大ヤラレを食らった理由や、投資を本格的に開始してからの状況、そして目前に迫る今年12月後半から始まるIPOラッシュでの方針について紹介していく。

好調発進から地合いが変わった2018年、ここから再出発

―― 2年前の今頃(2018年12月)に、大ヤラレをしたのはなぜですか?

IPPO: 理由は単純で、自分があまり得意というよりは、自分のものとしていなかった投資法にのめり込み、しかもポジションを多く取っていたことで、突如として襲ってきた市場の急変に飲み込まれてしまったことが原因でした。

この経験があったからこそ、今年前半に新型コロナの暴落が襲いかかってきたときも、冷静さを失わずに対処し、うまくリターンを得られたのだと思います。

―― これまでの記事で紹介してきたように、今年のコロナ禍の相場では、日経平均株価が底値をつける時期にIPOし、初値が公開価格割れした銘柄も想定の企業価値より安いとみて、拾うことができました。

IPPO: 事前にじっくり分析し、これだと思う銘柄に投資し、コツコツと利益を積み重ねていくのが私の得意とするスタイルです。そのことを、18年12月に食らったイタい経験が改めて思い出させてくれたのです。

―― なぜ、当時、本来の自分を見失われていたのかを理解するために、IPPOさんがそもそもIPO投資に乗り出したきっかけから教えて下さい。

IPPO: 私がIPO投資を本格的に始めたのは2015年になります。この年にIPOしたモバイルファクトリー<3912>株を、上場前の公募段階で証券会社に割り当ててもらったことがきっかけです。いわゆるプライマリー投資ですね。

ここでいきなり儲けが出て、投資に面白みを感じることができたのです。

それを皮切りに、15年~17年は上手く好調相場に乗ってそれなりにイケイケの成果を収めることができていました。うまくいったのは、投資の師匠と出会うことができたからです。

その人からプライマリーとセカンダリー投資のコツを教えてもらい、それを試しつつ、自分なりに勉強して腕を磨いていきました。

―― 最初のモバファク以外にも、いろいろと成功体験を積み重ねてきたのですね。

IPPO: 同じ15年には夏にクレスティック<7812>、その後もアイビーシー<3920>などもプライマリーでゲットでき、初心者の私にうまく追い風が吹いたことはありがたかったと感じています。

その時は株式投資の知識はゼロに近かったので、一般に言われるセオリーに従って、IPO株をプライマリーでゲットした後、上場日の初値で売るというやり方をしていました。

そのうちに、自分がゲットした株だけでなく、他のIPO株を観察していく過程で、一口にIPO株と言っても様々なパターンがあることがわかってきました。

―― たとえば?

IPPO: 上場前の公開価格を大きく上離れて初値が付くパターンやそうでないもの、そして初値が付いた後に値上がりするものもあれば、下がっていくものなど、いろいろとあるのだなということです。

感触としては、上場後に値下がりするものが多いように思えて、「それはなぜか?」と考えるようになりました。

そして、どんな条件にあるものがどんな値動きをするのか一層知りたくなり、2010年くらいまで遡って、全てのIPO銘柄を調べてみるという作業に没頭し始めたのです。

―― その作業をする中で、特に意識して見ていたものはなんですか。

IPPO: これまでの記事でも触れているように、

・上場する市場や業種、吸収資金の規模、

・公募株数に占める売り出しの比率、

・既存株主にベンチャーキャピタルが占める割合、

・ロックアップが外れた時の株価の動き、

――など、様々な角度から観察をしました。

すると、おぼろげながらにも条件ごとの傾向が見えてきた気がしたのです。

その後は、IPO株が上場後にどんな株価の動きをたどるのか、自分が傾向から組み立てた「仮説」をベースにして、観察を続けていました。

・仮説通りの動きをするのか? 

・もし想定外に動いた場合に何が原因となったのか?

・ストップ高、特買いの状態になったとしたらどうしてなのか?

・下落した原因は何なのか?

1つ1つ自問自答していくトレーニングを重ねていました。

仮説通りに動く実績を重ね、少しずつ自信がついていく

―― 観察し、疑問を持ち、仮説を立て、その検証を繰り返すという努力を重ねてきたのですね。モバファクではビギナーズラックだった面もあったかもしれませんが、「その運から実力を呼び込んできた」ことになる。

IPPO: そう評価していただけるのは、率直にうれしいです。そうした作業の中で同じ年に巡り合ったAppBank<6177>は、自分の立てた筋書き通りに動いた銘柄でした。

同社は15年の10月15日、東証マザーズに上場した銘柄で、スマホ向けアプリの記事などを掲載する「AppBank.net」運営する会社です。

着眼点の詳細を明らかにはできないのですが、需給の状況、ベンチャーファンドの数、ロックアップの解除の時期やその時市場に放出される株数、出来高、株価、板の様子から、上場後の後場で急騰することが予想され、その想定通りに動きました。

この成功がモデルケースになって、バルニバービ<3418>、オープンドア<3926>、マイネット<3928>などで連勝を続け、投資開始年に資産は3倍に膨らみました。16年、17年もそんな調子でした。

■AppBankが上場した2015年10月の日足チャート

【タイトル】

―― 15年から幸先よくスタートし、リターンを積んできたIPPOさんに大きな衝撃をもたらしたのが18年。この年の相場環境は、2月には「VIXショック」が、12月には「FRBショック(クリスマスショック)」と、2度のショックが襲い、多くの個人投資家さんが影響を受けた散々なものでした。

IPPO: 私が大ヤラレしてしまったのは、市場の急変の影響というよりは、自分で撒いた種が元凶でした。

―― というのは?

IPPO: この年は、知人から聞いた仕手株情報をつい鵜呑みにしてしまい、ホイホイ手出ししてしまったのが失敗の元でした。

ろくに企業分析もせずに飛び乗って大ヤラレ。そして、それを取り返そうと、また次の話題の銘柄に飛び乗って、もっとダイナミックな損失を食らってしまう。もう、最悪のパターンでした。

自分としては、それまでの成功で調子づいてしまった自覚はないのですが、知らず知らずのうちに慢心していた面もあったのかもしれません。

忘れもしない、この時の悪夢の代表2銘柄は、アンジェス<4563>と、オンキヨーです。

―― オンキヨーは、組織再編で今年にオンキヨーホームエンターテイメント<6628>になっていますね。もう1社のアンジェスは今年のコロナ相場で大相場を繰り出して話題になった、遺伝子医薬を開発するベンチャー企業です。この2社は以前から上場している銘柄という点で、IPO投資にはなりませんね。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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