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2020年8月11日 19時45分
特集

馬渕治好氏【日経平均大幅高の3連休明け、この上昇は本物か】(2) <相場観特集>

―NYダウ大幅高で7連騰、出遅れ日本株の上値余地は―

週明け11日の東京株式市場は前日の米国株市場でNYダウが360ドル近い上昇で7連騰となったことで、リスク選好ムードが強まった。トランプ米政権の財政出動への期待感が米株市場を支えているが、東京市場でもうまくこの流れに乗って日経平均株価2万3000円ラインの壁を突破したいところだ。きょうは400円を超える上げ足をみせたが、この流れは果たして本物か。第一線で活躍する市場関係者に全体相場の見通しと物色の方向性について意見を求めた。

●「下値リスク限定的で景気敏感株を逆張り」

馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット 代表)

日経平均は大きく反発に転じたが、ここ好調に上値を追うNYダウを横にらみにきょうの値運び自体は違和感がない。しかし、当面はここからの上値も限定的とみており8月から9月にかけての相場は基本的に2万2000~2万3000円のボックス圏推移を予想している。

企業の4-6月決算発表が大方出揃ってきた。これまでの集計では21年3月期最終利益段階で30%台後半の減益と厳しい内容が伝わっているが、これについては事前に織り込みが進んでいたこともあってネガティブインパクトには乏しい。新型コロナウイルスの感染拡大に対する懸念は拭えないものの、3月時点の急落は企業の減益幅の予想がつかない、先の見えない恐怖感がパニック売りを誘発した。しかし、現在は当時と比べマーケット心理も冷静さを取り戻している。

4-6月期の企業業績はいわば大底であり7-9月期は前年同月比でのマイナス幅は縮小する可能性が高い。月次ベースの売上高統計を見ても4月から5月にかけて既に改善傾向にあり、景気ウオッチャー指数や消費者態度指数など心理面を映す指標は4月が最悪、その後は月を追って回復基調にある。また、新型コロナ感染が依然として深刻な米国でも、実体経済の回復がはっきりと見て取れる状況で、雇用、小売、住宅着工などをはじめ5月の経済指標のほとんどが4月より改善している。

日経平均は下値抵抗力を十分に発揮できる局面にあるが、7-9月の企業収益が数字として確認できるまでは、見切り発車的に上値を買い進むことも難しい面がある。したがって、10月下旬から11月初旬にかけての7-9月決算発表通過後に全体相場は上限2万3000円近辺のボックス圏をブレークして一段高に進む公算が大きい。ちょうどその頃に米国では大統領選が予定され、不透明材料が払拭されるタイミングとなりやすい。

ここからの物色対象としてはこれまで売り込まれた景気敏感株が有力対象となる。トヨタ自動車 <7203> を筆頭に自動車株や日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> などの海運株、安川電機 <6506> 、コマツ <6301> など機械セクターや伊藤忠商事 <8001> など総合商社株をマークしておきたい。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(まぶち・はるよし)

1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米MIT修士課程修了。米国CFA(証券アナリスト)。マスコミ出演は多数。最新の書籍は「投資のプロはこうして先を読む」(日本経済新聞出版社)。日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」の執筆陣のひとり。

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